誕生日を共に過ごすということ

あっという間に週末が終わってしまいました。早い。早すぎる。時間は全く待ってくれません。書きたいことも読みたい本も送りたい手紙もたくさんあるのに、毎日は風のように過ぎ去っていきます。


週末は、20名の団体のお客さんが泊りに来ていました。親戚・家族の大所帯。80歳になるおじいちゃんと、81歳になるおばあちゃんのお誕生日をお祝いするために、みんな集まったそうです。


ということで、今回はお誕生日について感じた事を。



実は本題はさらにさかのぼること木曜日のお話。


実は、6月2日はファンムク(オランダ人のwwooferの子。今部屋をシェアしながら暮らしています)のお誕生日だったのです!!!わ~~!


23歳になった彼女。たまたま私と同い年。

この日が彼女のお誕生日だということをその2日前に知り、「お誕生日を海外で、家族以外と過ごすのはどんな感じなんだろう…?」と考えました。


家族でも、親友でも、クラスメイトでもない。

今まで自分とつながりがあった人たちではない。

そんな人たちと過ごす、海外での誕生日。



うおおお、さみしいだろうな。私なら。

最初はそう思ったけど、同時に、「どんなことをしよう?」「何をプレゼントしよう?」と当たり前に考えました。


だって、一緒に生活していて、もう1か月以上経っていて、お誕生日のその日も一緒にいるんだから、お祝いするのは普通のこと。



>>>それってすごい幸せなことだなあ…<<<



なんか、よくわからないけどしみじみそう思いました。

家族以外の人にお誕生日をお祝いしてもらえるって、すごくありがたいことだなあ。



実際、6月2日はベルナデットもパトリックも一日用事があって出かけていて、二人は夜帰ってきたのですが、

朝起きたらテーブルにお花が飾ってあって、「お誕生日おめでとう」とカードが置いてあって。決してものすごく豪華なものではないんだけど、そのちょっとした一つ一つの気持ちが私にはなんだかすごいことのように思えて。


私も今まで撮った写真をスライドショーにまとめて、夜ご飯までに間に合うようにベルナデットと打ち合わせして。


ベルナデットとパトリックは帰り際にケーキを買ってきてくれて。


夜ご飯はホタテのバターソテーで(フランスではホタテは高いらしい。少なくとも二人は滅多に食べないと言っていた)。



なんというか、別に、ものすごく豪華!というわけではないんだけど、みんなが少しずつファンムクのために「おめでとう」という気持ちを込めて何かしていて。決して高価なものではないし、こう、たいしたことないって言ったらたいしたことないんだけども。



それがなんだか、私には微笑ましい一日に見えた。



今まで私にとって、6月2日は普通の過ぎゆく一日に過ぎなかったのに、こうやって思い出に残る一日になるのって、不思議。


5月に入るまで、ファンムクのことさえ知らなかったのに。

6月に入るまで、彼女の誕生日が2日だということさえ知らなかったのに。


それでも今私はこうして彼女のために小さなプレゼントを用意して、ワインとごちそうを囲みながら、静かにみんなと話している。


この事実が、すごく不思議で、すごくありがたいことだなあと思った。


同時に、”ファンムクにとって一番大切な日”を共に過ごすことができるということに私自身が感謝すべきだなと。だって、きっとこの4人が6月2日に会うということはもうない(という可能性がすごくすごく高い)。それでも、2016年の6月2日に一緒に彼女のお誕生日をお祝いした。


すごいなあ。


こうやって、”その人の大切な時間”を共に過ごすことができる人が増えていくんだろうか。

こうやって、”その人の大切な時間”を共に過ごした人として、大切な記憶が増えていくんだろうか。



きっと人と出会えば出会うほど、大切な日や大切な時間が増えていく。その人と過ごした時間は、私の中でも、その人の中でも「大切な時間だった」と心に残る。


「大切」を分かち合うことができる人が増えれば増えるほど、私の人生の中の日々は「大切な時間」として満ち溢れていくんだろうか。

(なんとファンムクが「オランダでいつも誕生日に作っているケーキがあるからぜひ作ってみたい」ということで、当日ケーキを作ってくれた!シナモン・りんご・レーズンがクッキー生地と混ざっていてめちゃくちゃ美味しい)




そんなこんなで最初の話題に戻るけど、その80歳代の「おじいちゃんおばあちゃんのお誕生日会」という空間に、私も居合わせたわけで。


なんかこういうの素敵だなって純粋に思う。


みんなが「♪ハッピーバースデー・トゥー・ユー♪」って歌ってて、ケーキのろうそくを二人がフッて消して、拍手が起こって、「おめでとう~!」という声があふれる。(フランス語だから本当はJoyeux anniversaireだけど)


別に私は彼らの家族でも友人でもなんでもない、彼らにとっては単に「宿泊する場所でお手伝いしている日本人」に過ぎないのだけど、なぜかシャンパンも一緒に飲んで、「お誕生日おめでとうございます!」って私も二人に言って笑。


その場にいるみんなが二人のお誕生日をお祝いしていた。


その人にとって大切なその一日、大切なその時間を一緒に過ごすことができるということは、私とその人がどんな関係性にあるのかとか、そんなことを差し置いて、ただただ嬉しいことなんだな。


「大切」を分かち合えるということは、私の「大切」も増えていくということなのかもしれない。



Vive le WWOOFing! フランスワーホリログ

2016年4月〜2017年2月まで、フランスwwoofの旅。オーガニック農業、人との出会い、生き方と自分自身の発見、食文化と健康、言語に今は関心あり。「自分がよく"有る"」ために大切なこと、「どんな生き方をしたいのか」を考え中...!

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