Lalleyに来てから、早一か月が経とうとしている。月日が経つのは早くて、朝起きてからはゆったりとした時間が流れているはずなのに、いつの間にか一日が終わっている。
そんなこんなで、住んでみて改めて感じたフランスの習慣や日本との違いについて一度書いてみたいと思う。最初は驚くんだけど、だんだんと慣れていくのが面白い。そしてそれが当たり前になっていくことが少し楽しくて、少しこわい。
驚きとともに日本とも比較したいので、コメントしてくださる方大歓迎です^^!
小さなことから大きなことまで思いついたことなんでも書きます!
●フランス人は議論が大好き
とにかく議論が大好きです。昼食や夕食の時間は議論を交えて2時間くらい(最低でも!)かかっていると思われます。常に話題が絶えず、「これについてあなたはどう思う?」と必ず聞かれます。もし何も言わないと、そのまま会話に入らないまま食事の時間が過ぎていきます…。なんとも悲しい笑。わからない話題でも、「それはどういうこと?」と聞くだけで理解度が確実に変わります。ちゃんと説明してくれます(話が分からない人よりも、興味を示さない人の方がタチが悪い印象が)。
これには正直びっくりして、まずその話題について話している人がいるとみんなフォークとナイフを動かすのを控えて、じっくり話を聞き入るので、自分の好きなタイミングでご飯を食べることができないこともあります笑。そして、誰かが意見を言っている時に「でもそれは…!」と割って入ることもしばしば。私から見ればケンカごしにしゃべっているようにしか感じられなくて、最初はちょっとその雰囲気が怖かったけど笑、今は楽しいと思えるようになってきました。
同時に、自分があまりにも世の中で起きていることに関心がなさ過ぎて、意見を言えないことばっかりだということにも気づかされ。時事問題や日々身の回りで起きていることに興味がないから、自分の考えがないんだなと日々痛感。日本だと(少なくとも私の家では)、誰かがある話題を出しても、「へ~そうなんだ!」で終わることが多くて、「でもそうじゃなくて…!」「これはこう思うんだけどどう?」みたいな話にならなかったので、つい「え、何か言わないといけないの?」と思ってしまい、最初は混乱してしまったりも。
ベルナデットに、「どう思う?」と言われ、ただ話を聞いていただけで自分の考えが頭になかった私は、「え、何か言わないといけないんですか?」と答え、「いやだからあなたはこれについてどう思ってるの?」と「いや、どう思ってるって聞かれても…(無言)」「私が言ってることわかる?!」「いや言ってることは分かってます!」「でどう思うの?」「・・・」「本当にわかってる??」「わかってますけど…泣」となってしまったこともありました。今となってはその原因がわかります。
●テラスが大好き・外で食べたい!
これも驚きですが、とにかくテラス席が人気です。街中のカフェもテラス席から埋まっていきます。どちらか選べるならみんなテラス席なのです。今いる場所でも晴れれば必ず外で食べるし、最近は夜も明るいので、テラスで食べたりしています。
日本ではあまりテラス席は見かけないし、あってもあまり人気がないような気がしますが、その違いはなんなんでしょう…。これも一度議題に上がりました笑。海辺とかだとテラス席は人気ですが、日本ではテラスは通りにいる人から見られている感覚があって嫌なのかなと思います。がやがやしているし。お店で食べるなら、空間が区切られているところを好むのかなあ。なんででしょうね??
(お家にあるテラスの一つ。木陰から山々が見れてきれい)
●「田舎に家を買って外でご飯を食べる」それがフランス人の抱く夢
テラスと少し関連しますが、多くのフランス人が抱く夢が、「田舎に大きな家を買って、外で自然に触れながらご飯を食べる」というものらしいです。もちろん中にはそうでない人もいるのですが、多くの人がそんな暮らしを夢見ているらしい。
日本だと、なんだろう…。「ハワイや沖縄でバカンス暮らしかな?(私のイメージ)」と答えたら、「それはバカンスがあるからすぐできるじゃない!」と言われ笑、はていったい日本人の抱く夢とは何だろう?とものすごく考えました。いまだにわかりません。
とある時期、私の夢は「東京に住むこと」だった時があるのですが、それは地方出身だからなのか。実際一度都内に住んでいましたが、将来的にも住みたいか?と聞かれると答えはNOです。フランスに住めたらいいなあ笑。
●Bricolage(ブリコラージュ)が好きなのは本当
最近よくDIYとかブリコラージュという単語を耳にします。フランス人がブリコラージュが好きなのは、本当でした!よく手作りしたり手直ししたりしています。古いもの好きで、骨董なんかも見かけます。パトリックに聞いたら、「ブリコラージュのために生きてるようなもんだよ!笑」と言っていました。ただし個人の趣味にもよると思います笑。
(石を使ったライト。お気に入り)
●チーズが大好き
食後はチーズ!デザートがなくても、チーズがあれば平気、といっても過言ではないくらいに、チーズを食べます。昼食と夕食は必ずチーズ。パトリック曰く「チーズがないと生きられない」そうで笑(彼はユーモアたっぷりに言うので、死んじゃうわけではありません笑)。常に3~4種類くらいのチーズがあって、好きな分だけナイフでとって食べます。最初パンに乗せて食べていたら、「チーズは味わうもので、パンの付け合わせとは違うのよ」と言われ、日本で言うスライスチーズとは全く違う感覚なのだということを知りました。
食後のチーズはもはや当たり前で、日本に帰ったら美味しいチーズを買えるお店を探すことになりそうです笑。
●日照時間が長いことの恩恵がたくさん
とにかく日が沈みません。朝6時くらいから明るくなり、そのまま20時までは夕日にならないという。21時近くになってやっと暗いかも、という感じです。5月末になってさらに明るくなってきて、きっと夏は22時くらいまで明るいのでしょう。
おかげで生活サイクルも違います。お昼ご飯を食べた後は暑すぎて外では活動しづらいので、休憩時間になったり、中で作業したり、ベルナデットたちはパソコンの仕事をしたり。シエスタがある理由もよくわかります。少し暑さが引いた17時くらいから畑に出ても明るいので、作業時間が圧倒的に多いです。
同時にサングラスも本当に助かることを初めて知りました!持ってきてよかった!かけると圧倒的に目が楽になりました。
●食事の順番がある
これは普段食べているものについて書いた時にも触れたのですが、料理の順番があります。サラダ→メインディッシュ→チーズ→デザート、みたいな。それ自体はいいのですが、私の最近のちょっとした葛藤は、後戻りできないということ!笑。チーズを食べてしまったら、サラダやメインディッシュが大皿に残っていても取ってはいけないのです。正確に言うと、家庭内の食事だから別に取ってもいいのですが、ちょっと変な感じ。日本では全品をテーブルに乗せて、汁物もご飯もおかずも自分の好きなタイミングで食べていた&全部少しずつ手を付けていた(私は)ので、なんとも微妙に気になったりすることもあります。日本人でも一品ずつ食べる人もいますが(味噌汁だけ、おかずだけ、ごはんだけ、と消化していく)、そういう習慣がなかったので、複雑な気持ちに笑。
しかも、食べる品を合わせるのです。つまり、サラダを食べて、まだサラダを食べ終わっていない人がいると、みんな待ちます。その人が食べ終えると、メインディッシュに移行。またもみんなが食べ終えたら、チーズが登場。といった具合に、同じタイミングで同じ料理を食べる。食べるのがもともと遅いうえにフォークとナイフがいまだにうまく操れない私にとっては、日々「あ、みんな待ってるな汗」という現象が起こります笑。ゆえに、余計後戻りができないのです。待たなくていいよ~といつも思いますが、こればかりは習慣で、私がマイノリティーに属するわけなので、同じスピードを意識しています。
●空気が乾燥している
いい点と悪い点があります。
いい点:ドライヤーなしでも髪が乾くこと、手洗いした服が一日で乾くこと、日差しが強いわりにむしむししていないので日本ほど汗をかかないこと、髪がべたつかないこと、床を掃除したら割とすぐ乾くこと
悪い点:喉がすぐ渇くこと(最初だけでした)、手が乾燥して荒れやすくなること(人による?)、髪がよく静電気を引き起こすこと
個人的にはいい点による恩恵を受けているかな!
●時間の流れがゆったりしている
時間に合わせてこれをやる、あれをやる、といったタスクがあまりないです。きっと会社ではあるのでしょうが、ここではないですね。時間を気にせず、終わるまでやる。いつの間にか夜になっている。という感じ。そして料理の準備をしながらちょっとワインを飲んだり、お菓子をつまんだり、お昼も暑いと「ビール飲む?」という雰囲気。街中ではカフェのテラス席で昼からビールを飲む、というのもいいなあ~と思います。日本のカフェはアルコールを提供していないところが多いけど、カフェ文化も違う。仕事が終わって一杯(ただし日が暮れるのが早いから仕事が終わる時間も早い)の日本と、お昼休みに太陽を浴びながら一杯(むしろ仕事の相棒的存在)のフランス。そもそもアルコールに強いだけ?笑
(とある日の昼食。昼からビールに罪悪感はまったくナシ笑)
●レモネードはレモンソーダを指す。
●パンは買ってから1週間くらい放置していても大丈夫。でも硬い。日本の食パンみたいなパンはない(切れていないし、ふにゃっとしていない)
(こんな感じで常にテーブルにはパンが)
●そしてパンはお皿ではなくてテーブルに直接置いても大丈夫(=マナー的にOK)。
●コップはお皿の真ん前に置く(上の写真参照)。
●ビールは一杯くらい飲んでから運転しても大丈夫。
●車のスピードは平気で80㎞とか。そのわりに道路幅が狭いのですれ違う時めちゃくちゃ怖い笑。反対車線に車がいない時カーブすると、確実に道路の真ん中を走っている(車が来たら慌てて右側に寄る笑)。
●まな板をあまり使わない!包丁を手で持つときの向きが逆(手前に刃が向いていて、切る時は自分の方に持ってくる)。私はまな板がないと切れない。
●キッシュは家庭料理で割とよく作る。ここに来てからすでに4回ほど作っている。もはやベルナデットも説明なしでOKだとわかっている笑。
●お誕生日は地域ぐるみでお祝いする。この前初めてベルナデットに連れられて、彼女の知り合いのフレデリックさんの誕生日パーティーへ。初めて会うのにみんなとBiseをして、一緒に乾杯して、話をして、ご飯を食べる。ものすごく違和感!でもとてもフレンドリーで気さくで楽しくて、にぎやか。いいなあこういうの。
(ベルナデットさえも初めましての人ばかりが集う)
(お祝いもキッシュで。お誕生日の品としてワインを持ち寄ることが多いようです)
●ズッキーニとオリーブオイルの消費量が圧倒的に違う。サラダ油とか見たこともない。あるんだろうか。ズッキーニは日本で言うキャベツ的存在?炒めもの、パスタの和え物、スープ、なんでも常にズッキーニ。
●地域ぐるみのマルシェがある。これは言わずもがな、以前の記事でも書いた通りですが、ほとんどの地域で定期的に開催されているマルシェ(市場)があります。多くは土曜日の午前中のよう。新鮮な野菜・チーズ・パン・卵・お肉・魚・加工品などほぼなんでもそろいます。
(広場には屋台が並びます)
●マルシェでは、なんと”付け”で買えます!びっくり!!!この前お遣いを頼まれて、お店の人に「Gite les Ombellesの分なんですが、メモしてもらえますか?」と言ったら、「はいはい~^^」と笑顔で対応。買えました(唖然)。ちなみにメモしてもらった分は来週来た時に払うんだそうです。すごいな。信頼関係があってこそのやり取り。
●同時に小切手をよく見かける。ベルナデットもよく小切手で買っているし、宿泊するお客さんもよく小切手で支払っている。ただ銀行に小切手を持っていけばユーロ札に換えてもらえるらしいのだが、いまだに仕組みがわからない。
●日本人のイメージは、やはり几帳面な人種だということらしい。そして時間に厳しい。ラッシュアワーでぎゅうぎゅう詰めになっている電車や、茶道・柔道・剣道・合気道・相撲のイメージもある。同時に広島・長崎の原爆のことや福島の原発のことも知られている。
ただ、多くのヨーロッパ人はそもそも日本のことをよく知らないと言っていた。写真は見たことがあるけど、真実は知らないとのこと。
●やらないといけない仕事がたくさんある時、「私にはまな板の上のパンがある(つまり、切るべきパン=終わらせるべき仕事)」という言い方をする。日本の慣用句だと何が当てはまるんだろう?
●海藻は食べない。売っているのも見たことがない。あと発酵食品もほぼ見かけない。
●卵を溶くのはフォーク(箸がないから当たり前なんだけど!笑)。むろん焼くのもフォーク。食べるのは苦にならないけど、料理するときは箸が恋しい。そして”目玉焼き”の名称がない。単に「焼いた卵」としか言わないらしい(オランダでは鏡のような卵というらしい。わかる気がする)。
●予想以上にお米を食べる。ただしタイ米や赤米など種類は様々。もっちりとはしていない。フォークでうまくご飯を食べられない。でも圧倒的にお茶碗一杯分より少ないと思う!お腹空かないのかな?いつも不思議。
ざざざっと書いてみたけど、きっとすでに日常と化してしまったこともあるんだろうなあ。本当に、時が経つのが早すぎてこわい。
そしてとにかく日々感じることは、「自分をしっかり持つべき」だということ。すべてのことに対して、その現象と自分との立ち位置を理解して、考えを持つということが、ここでは当たり前。私にとっては当たり前じゃなかった。自分とは違う次元のことかな、とざらに思っていた。今となっては、もっと日本で考えておくべきことがたくさんあったんだと日々思う。
違い・驚き・発見・学び。
それは自分自身を見つめ直すきっかけにもなりつつあって、みんなと議論しあえばしあうほどに自分の中の自分を見る。そして社会を見る。自分と社会の立ち位置を考える。
前に参加したセミナーで、「critical thinkingを持ちましょう」と言っていたけど、それはこういうことなのかもしれないと最近つくづく思う。すべてのことに興味関心と、自分とのかかわりと、疑問と、考えを持つ。言葉にすると何となくニュアンスが伝わらないような気もするけど、すべての事柄の中に自分を置いて、それを客観視するというのだろうか?んん、難しいな。
時間と記憶能力が無限にあればいいのになあ!笑
そうやって今日も更けていく。
2コメント
2016.06.03 14:45
2016.06.02 23:14