BIOの話② ~BIOのサイクルはどうやって回っているのか~

前回、BIOの暮らしにこだわる理由について書きました。ということで、今回はそのシステムについて書いてみます。


その答えは、「AMAP(アマップ)」でした。

AMAPとは何か?

実はここに来るまでよくわかってませんでした。今もまだちゃんと理解はしていないのですが、ある雑誌に載っていた記事がAMAPについて書いていたのでそれを載せてみようと思います。

その前に簡単に要約すると以下の通りです。


⇒生産者とその周辺に住む消費者が契約を結ぶ提携システムのこと。消費者は生産者に6か月~1年分の代金を前払いし、週に一度品物を取りに行く。
⇒生産者の資金繰り、運送や放送のコスト削減を可能に。
⇒生産者が忙しい時には、消費者が無償で畑仕事などを手伝う。




『Les AMAP, une lame de fond?』(L'OISEAU magazine:2009年春号, P14)

持続可能な発展~AMAPの奥底にある武器とは?~


近年、AMAPの活動が開花している。消費者の意識の変化の象徴としてだけでなく、持続可能な農業・自然のサイクルの尊重・その近接さとの協調やエコ意識のある市民が交わす契約としての象徴にもなってきた。


AMAPとは何か?「Associations pour le Maintien d'une Agriculture Paysannne」の略で(直訳は農家の農業維持のための協会)、内包的な農業による従来の流通経路に対抗するものであり、同時に巨大な流通システムである。


AMAPは生産とその分配の相互システムについて再提起するものであり、生産者と消費者グループの間で結ばれた契約に基盤を置いている。

消費者は一週間ごとにPanier(かごのこと。下の写真参照)の料金を前もって支払うというものだ。


Panierの内容は、一般的には野菜だが、中には牛肉・豚肉・ラム肉や、卵、はちみつ、パンなどを生産しているメンバーもいる。料金は一定で、旬や地域によって、構成される内容はさまざまだ。


気候が優れなかったり、虫や動物によって畑が荒らされたりした時は(充分な量を配給できないので)、消費者は数週間後もしくは収穫高が良かった時にその分を補ってもらうことができる。


この相互かつ絆の強い契約によって、消費者は新鮮・地元の・体にいい・季節の生産物の恩恵を受けることができ、時には昔からあるけれど今はあまり流通していない野菜に出会ったり、季節の味を生かしたレシピを学べたり、その地域のものを食べることができたりするのである。


同時に生産者にとっては、彼らの生産物をすべて売りさばくことができるし、AMAP加入者とダイレクトで定期的な契約を結ぶことができるというメリットがある。加入者は農業に携わる仕事について理解を深め、週に一度配達場所や生産者の家であいさつをかわす。


この契約の他のメリットとしては以下のものも挙げられる。

生産の手順や契約内容が明瞭であり、環境に配慮されたものであるということが保証されていること。殺虫剤や駆除剤を使用せず生産していること。大地・水・生態系の維持のための持続的な農業を実践していること。などである。

(BIOのお肉屋さん。直接生産者と話ができる。育て方やこだわりをたくさん語ってくれる)



全国的になってきたこの現象。フランスではAMAPはある二人のパイオニアによって創設された。Denise&Daniel Vuillon夫妻である。二人はOllioules(地中海に面したフランス南部の港町。マルセイユとニースの間にある)の野菜農家で、2001年に初めて”AMAP”と名付けたのである。


同じく2003年には、AMAPの活動をさらに活気づけるためにプロヴァンス地方でも連合が発足。2008年には約1000もの協会が登録され、競合を続けている。


AMAPは、北アメリカ・カナダの”CSA”(Community Surpprted Agriculture:コミュニティ(地域)が支える農業)の影響を受け生まれた。CSAは1980年代に生まれており、1970年代の日本の”TEIKEI”(提携)にそのヒントを受けている


これらのすべての相互的な実践は、生産者と消費者の直接的な関係について提起しており、社会的現象になっている。その結びつきは軽薄なものではなく、生産者がより実践的に農業活動ができるよう、ゆっくりではあるが確実に支援するものである。同時に、消費者自身も自らが口にするものに対して意識を払うようになり、農家の仕事とのつながりが強まったのである。



という記事。
読んでいくとわかるのですが、そのアイデアのもとはCSAで、さらにそのもとは日本のTEIKEIだったのです。

全く知らなかった…。


1971年に、日本では”日本有機農業研究会”という会が設立されていて、その中で「提携の10カ条」というものが創られたのです。

相互扶助の精神・計画的な生産・全量引き取り・互恵に基づく価格の取決め・相互理解の努力・自主的な配送・会の民主的な運営・学習活動の重視・適正規模の保持・理想に向かって漸進、の合わせて10の「生産者と消費者の提携の方法」があります。(詳しくはサイトにて)



今住んでいる地域(Trieves)にも、このシステムがあって、毎週水曜日に野菜を受け取りに行きます。料金は前払いではなく、その受け取りの時に支払っているのだそうです(地域や協会によって違う)。




まずは記事を読んでは見ましたが…。

知れば知るほどに、知るべきことがさらに増えていきます。私がただ単に知らなかっただけで、世の中にはたくさんのシステムや協会が存在していて、問題意識を持っている人がいて、改善しようと行動している人がいる。

私が今見ているのは物事のほんんんの小さな一部だけであって、なんて自分は無知で微力で、いったい何ができるんだろうと思う。


7月からは、実際に野菜を販売している農家さんのところにお世話になる予定です。勉強し足りないことがたくさんある。頭の中がごちゃごちゃになりつつ、まずはここまで。

Vive le WWOOFing! フランスワーホリログ

2016年4月〜2017年2月まで、フランスwwoofの旅。オーガニック農業、人との出会い、生き方と自分自身の発見、食文化と健康、言語に今は関心あり。「自分がよく"有る"」ために大切なこと、「どんな生き方をしたいのか」を考え中...!

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